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いなかの猫の天邪鬼部屋

第25話

OnAir~シーズン2・第25話~


#ヨンウンの仕事部屋

(ソファ-に離れて座っているヨンウンとギョンミン。ギョンミン、クッションを抱え込んだまま隅に追われている。)

ギョンミン : (ヨンウンの様子をうかがう) ....もう怒ってない?

ヨンウン : (口をつぐんで一生懸命息を整える)....喋らせないで。...まだ治まってないわよ...

ギョンミン : もうそのくらいにしろよ。あの...

ヨンウン : (睨む) .....

ギョンミン : (慌てて目を逸らす)うわっ!...

ヨンウン : (落ち着こうと労力する)....フーッ....

ギョンミン : (横目でヨンウンを見て) そんなに怒るなよ。大した事じゃないのに。

ヨンウン : 大した事じゃないのに、どうして疲れた顔で帰って来るのよ。それはあなたがユン作家に気を使ってるからじゃないの!

ギョンミン : だから言ったじゃないか。君は何しろ敏感だから....

ヨンウン : (目を吊り上げて) それじゃ言わずにいるべきだったのよ。自分の彼女が敏感なのを分かり切っていながら彼女の気に障るような事を言うの?男って。

ギョンミン : (上体を起こして) ウワーッ!悔しい!!!

ヨンウン : 何ですって?何が悔しいの?

ギョンミン : もし後になってから問題が起きたら、君に背信感を感じるだろ? 俺はそれがイヤだったんだよ。

ヨンウン : 大した事じゃないのに、どうして問題が起きるのよ。そんな事を考える事自体が問題じゃないの!!

ギョンミン : (後悔する)...ハー...ホント失敗したな...

ヨンウン : 今度は後悔?

ギョンミン : もうやめよう。俺が悪かった。二度と、どんな話も君には伝えない。

ヨンウン : 何ぃ?それは、どんな問題が起こっても私には言わないって事?

ギョンミン : こんなに暴れ狂う君に、どうやって話をすればいいんだ?どうという事でもないのにこれだよ。本当に何かが起こったら、君は倒れるんじゃないか?

ヨンウン : (爆発する) 本当に何かが、なんで起こるのよ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!

ギョンミン : (手を上げて降参)あ、分かった....言葉が悪かった。....起こらない、起こらない....

ヨンウン : (泣きそうに)......ダメなの?

ギョンミン : (ヨンウンを見る) ...?

ヨンウン : 結婚しましょう。今すぐ。

ギョンミン : (困り果てる) しなくちゃ...? 絶対に..?

ヨンウン : うん。

ギョンミン : 分かった。

ヨンウン : (ギョンミンを見る) 本当に?

ギョンミン : うん、本当に。.... そうしなければならないなら。

ヨンウン : (傷付く) ....(膝に顔を伏せて泣く)

(ギョンミン、天井を見てため息をつき、二度と妙な話はするまいと思う。)


#空港

(キジュン、ヨンウン、スンア、ギョンミン、出国場の近くのテーブルに座っている。)

ヨンウン : 今度はいつ会えるか分からないわね。

キジュン : (微笑む) これからはマメに連絡するよ。イ監督、ウリソ作家をどうぞよろしく。

スンア : (眉間をしかめる) ...またウリと言うんだから...

ギョンミン : (にっこりと笑う) はい。俺の女ですから。大事にしますよ。

キジュン : (笑うってヨンウンを見る) ...ところでヨンウン、顔がヘンだぞ。具合が悪いのか?

ギョンミン : (ドキッとする).....

ヨンウン : (力無いほほ笑み) うん...ちょっとね...

キジュン : (二人の様子をうかがう) 何があったか知らないけど、大事にしてやらないと。気苦労させてるんじゃないですか?

ギョンミン : (うつむいて) 俺が何を...?

スンア : 監督、何か悪い事でもされたんですか?どうしてそんなふうに委縮するんですか?イ・ギョンミン監督らしくないですけど。

ギョンミン : (ため息) 何でかは分からないけど、俺が悪い事をしているらしいです。(ヨンウンを横目で見る) 3日間、あの調子でいるところを見れば...

キジュン : まだ若いな。痴話喧嘩が3日も続くなんて。

スンア : (キジュンを横目で見て) 私も若いわよ。あなたが若くないだけ。私は、喧嘩すれば3日どころか一ヵ月だって怒り続けられるわよ。

キジュン : (荒唐な) 何て事を!...... 何の話なのか...分からないな...

(スンア、キジュンを睨み、ギョンミンとヨンウンの様子をうかがう。ヨンウン、呆然としている。)


#空港出国場前

ヨンウン : (キジュンに) じゃあね。スンアさん、お元気で。

キジュン : ああ、また会おう。

スンア : さようなら、お二人様。(笑って) 早く仲直りしてくださいね。

ヨンウン : (にっこりと笑う) はいはい。

ギョンミン : ご心配なく。さようなら。

(キジュンとスンア、ゲートに入って行く...)


#ギョンミン車中

(ギョンミン運転中)

ギョンミン : (隣の席のヨンウンを横目で見る) いつまでその調子なんだ?...俺は大変だよ。

ヨンウン : 怒ってるわけじゃないの。ただ元気がないものだから。

ギョンミン : 元気がない?悩んで食事も出来ないか?(ため息) ごめんな...俺が至らなかった。...次からは気を付けるから。

ヨンウン : (ため息)...これは気を付けて解決出来る問題じゃないわ。.... 私が心を留守にしないとならないの。

ギョンミン : ....


#2週間後、11月初、ドラマ局PD事務室

(ギョンミン、机に座ってパソコンでシナリオを見る。電話する。)

ギョンミン : もしもし?イ・ギョンミンです。


#PD事務室

(ギョンミンとセア、机の間に座っている。)

ギョンミン : (椅子を回してセアを見て) 後半部のシナリオがちょっとおかしいからです。女主人公のキャラクターが急に暗くなったようだけど、わざとそうしたんですか?

セア : どんなところがですか?

ギョンミン : (セアを見る) ...初盤のキャラクターと違うと思いませんか?逞しくて明るい性格から、急に悲観的に変わったと思うのは...俺の錯覚ですか?

セア : そうですか?意図したのではないのですが...

ギョンミン : 特別な理由なくそうしたのなら ....申し訳ないがまた書いてもらえればと思うのですが。

セア : ....

ギョンミン : 回りくどい言い方はしません。また書いてください。

セア : ....はい。

ギョンミン :(セアの反応を怪しむ) ???......

セア : (立ち上がる) 帰ります。出来あがったらメールで送ります。

ギョンミン : はい...やっかいな仕事をさせて申し訳ありません。

セア : いいえ。私のミスですから。それでは...(目礼して出て行く)

ギョンミン : .......


#11月中旬のある日、ヨンウンの仕事部屋

(ヨンウン、ソファ-に座って膝の上にノートPCを乗せて作業中。)

ヨンウン : どうしてこんなに眠いのかしら...?ミジュ~、私にコーヒー。

ミジュ : (コーヒーカップを持って来て) 先生、今日はコーヒーの飲み過ぎじゃないですか?まだ3時なのに、もう7杯目ですよ。

ヨンウン : (ミジュを見る) そう?(首の後ろを触って) そんなに飲んでるのに、今日はどうしてこんなに眠いのかしら...

ミジュ : 帰って少し休まれては?食事もしてください。

ヨンウン : まともに寝られないから食欲もないのよ。

ミジュ : イ監督に聞かれたら、私、嘘は言えません。お分りでしょう?

ヨンウン : (つんとして) あんたは...(嘘をつく事)も出来ないの?

ミジュ : ...おかしな話なんですけど、監督には嘘をつけないんです。

ヨンウン : どうして?

ミジュ : 監督に嘘をついたら酷い目に遭いそうで...

ヨンウン : 監督に酷い目に遭わされた事があるの?

ミジュ : いいえ。ただ、その...怖いんです...

ヨンウン : そう?(失笑し、独り言で) 何が怖いのよ。子供なんだから...

ミジュ : 食事の準備をしましょうか?

ヨンウン : そうね...。(立ち上がって) 少しだけ食べましょう。(フラフラする) あ...

ミジュ : 先生!大丈夫ですか?

ヨンウン : (ソファ-を掴んで体の重心を支える。) ええ...大丈夫。(目を閉じてしばらく立っている)...(徐々に目覚める) 食べないとダメ?

ミジュ : ですから、先生が食事されないと私が酷い目に遭うんですから。

ヨンウン : (ミジュを見る) 酷い目に遭った事はないんでしょ?

ミジュ : そうですけど....見られただけでも怖いんです。

ヨンウン : (顔をしかめる) 彼の印象はそんなに険しいの?

ミジュ : (にっこりと笑う) いいえ。とてもハンサムで...

ヨンウン : ハンサムで?

ミジュ : ハンサムなんですけど、まっすぐに見られると身動きが出来ないんです。あれがカリスマというものなんですね...

ヨンウン : (唖然とする) まったくもう...あんたをどうしようかしら?

ミジュ : 何ですか?

ヨンウン : (ミジュを見る) 別に~。ご飯でも食べましょう?






(原作出処:sonkhj1116さんのブログ


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